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- わが国の中小企業を巡る金融環境は大きく変化してきている。バブル崩壊後、金融環境はほぼ一貫して緩和状況にあり、21世紀に入ると超金融緩和ともいえる状況となってきた。しかし、中小企業は金融緩和下にありながらも厳しい経営状況が続いてきた。中小企業向け貸出も低迷し、1990年代後半以降は金融システム不安の発生とともに中小企業に対する貸し渋りが大きな問題としてクローズアップされた。
- 一方で、この間の金融環境の変化は、貸し手側の金融機関に対しても大きな影響を与えてきた。まず住専問題が起きるとともに多くの金融機関が破綻し、1997年には大手金融機関も破綻する状況に至った。さらに、自己資本比率規制や早期是正措置の導入、また不良債権早期処理の要請やリレーションシップバンキングの強化と、この間の金融機関経営も大きく変化してきた。
- このような構造的ともいえる金融環境の変化に中小企業はどのように対応してきたのか。中小企業と金融機関との関係や、脆弱とされてきた中小企業の財務体質には変化が起きているのか。本書は、こうした問題意識のもとに、わが国の金融環境の変化、金融機関の動向、中小企業の財務体質の変化などを分析したものである。
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-目次-
第I部 中小企業を巡る金融環境の変化
第1章 大きく変化した金融環境
第2章 定着してきたリレーションシップバンキング
第II部 中小企業金融の動向
第1章 倒産の減少
第2章 中小企業の財務体質の変化
第3章 中小企業の各ステージにおける資金調達
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定価:(本体1,429円)+消費税 B6判 215P
編 集・発 行:一般財団法人 商工総合研究所
平成27年2月13日発行 ISBN978-4-901731-21-8 C2034
